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桐山 博光; 山川 考一
Laser Physics, 16(4), p.666 - 672, 2006/04
被引用回数:4 パーセンタイル:23.42(Optics)高繰り返し,高平均出力チタンサファイアレーザーシステムの小型化,高効率化を目的としてLD励起Nd:YAGジグザグスラブレーザーMOPAシステムの開発を行った。本増幅器は、合理的な6パス構成による多重パス増幅方式を採用し、低い入力エネルギーで高いエネルギー抽出効率を達成している。また、増幅光を高ビーム品質に保つため、ファラデーローテーター及びSBS位相共役鏡により、それぞれ熱複屈折効果と熱レンズ効果を補償する構成である。また、高い変換効率で第二高調波を発生させるために、非線形光学定数の大きいKTP結晶を採用した。平均LD励起パワーに対する増幅器平均出力特性を取得した。1-kHzの高繰り返し動作時において、平均LD励起パワー2.6-kWに対し、362-Wの増幅器平均出力が得られた。また、222-Wの増幅器平均出力に対して132-Wの高平均第二高調波出力を60%の高い変換効率で得た。応用への展開として、1繰り返し数-kHz,ピーク出力1-TWで動作するチタンサファイアレーザーシステムの実現に向けて、再生増幅器の開発を行った。平均グリーン励起パワー20-Wに対し、出力パワー4-Wが1-kHzの繰り返しで得られた。また、OPCPAの基礎的な実験を行い、出力エネルギー24-mJ,増幅利得6106,増幅スペクトル帯域85-nm(FWHM)を達成した。
山川 考一
電気学会光・量子デバイス研究会資料OQD-04-46, p.27 - 35, 2004/11
30兆分の一秒(33フェムト秒)の間に、百万キロワットの発電設備85万基分の、850兆ワット(0.85ペタワット)の光を放つテーブル・トップレーザーが完成した。このようなレーザーは、瞬間的にエネルギーを微小領域に集中することができるため、超高強度,超高圧,超高密度等の極限状態の下で初めて発現する現象の研究が飛躍的に進展し、荷電粒子の加速からガン治療まで幅広い応用が期待される。本講演では、相対論的レーザー場の生成を可能にする高強度レーザー光の発生方法について紹介するとともに、このような強電磁場が原子にどのような影響を与えるかについて最近の実験結果をもとに議論する。また、このような高強度レーザーによって生成される高エネルギー粒子や光子の特性とこれらの線源を用いた応用研究の可能性について紹介する。
桐山 博光
Recent Research Developments in Optics, Vol.3, p.155 - 171, 2003/12
チタンサファイアチャープパルス増幅(CPA)レーザーシステムの励起光源として2つのグリーンレーザーシステムの開発を行った。一つは高エネルギーグリーン光発生を目指したものであり、ペタワットクラスのチタンサファイアレーザーシステム構築のための要素技術開発として、CLBO結晶を用いた高エネルギーグリーンレーザーシステムの開発を行った。25-Jの高エネルギーグリーン光が74%の高い変換効率で得られた。もう一方は高繰り返しテラワットクラスのチタンサファイアレーザーシステムを実現するため半導体レーザー励起方式を用いたレーザーシステムであり、0.13-Jのグリーン光が1-kHzの高繰り返し動作で得られた。これらのレーザーシステムの実験結果の詳細について紹介するとともに、設計,スケール則などについて議論する。
桐山 博光; 山川 考一; 永井 亨; 影山 進人*; 宮島 博文*; 菅 博文*; 吉田 英次*; 中塚 正大*
Optics Letters, 28(18), p.1671 - 1673, 2003/09
被引用回数:29 パーセンタイル:74.02(Optics)高平均出力・高繰り返しチタンサファイアレーザーの小型化,高効率化を目的として半導体レーザー(LD)励起Nd:YAGレーザーMOPA(Master-Oscillator-Power-Amplifier)システムの開発を行った。本システムは、低い入力エネルギーで高いエネルギー抽出効率を達成するため、レーザービームが励起領域を6回通過できる多重パス増幅方式を採用している。高ビーム品質の増幅を行うためにジグザグスラブ型増幅器で、さらにファラデーローテーター及びSBS位相共役鏡を用いて、それぞれ熱複屈折効果と熱レンズ効果を補償できる構成としている。また、高い変換効率で第二高調波光を発生させるために、非線形光学定数の大きいKTP結晶を採用した。本システムの動作試験を1kHzの高繰り返し率で行った。平均のLD入力パワー2.6kWにおいて362Wの高平均出力(1064-nm)を達成した。1500の増幅度並びに14%の光-光変換効率を得た。また、波長変換試験において222Wの入力パワーに対して132Wの高平均第二高調波出力光(532-nm)が60%の高い変換効率で得られた。
桐山 博光; 山川 考一
レーザー学会第313回研究会報告; 高機能固体レーザーとその応用, p.1 - 6, 2003/09
極端パルス・超ピーク出力チタンサファイアレーザーの励起を目的として、2種類のグリーンレーザーの開発を行った。1つは高エネルギーのグリーン光の発生を目的として、大出力Nd:ガラスレーザーシステムからの出力光を大型結晶の育成が容易で非線形光学定数の大きいCLBO結晶を用いて波長変換しグリーン光の発生を行った。34-Jの入射レーザーエネルギーに対して25-Jの高いグリーンエネルギーが得られた。370MW/cmの入射レーザー光強度に対して74%の高い変換効率を得た。2つ目は高繰り返しのグリーン光の発生を目的として、半導体レーザー(LD)励起Nd:YAGレーザーMOPAシステムの開発を行い、その出力光を非線形光学定数の大きいKTP結晶を用いて波長変換しグリーン光の発生を行った。1kHzの高繰り返し動作時において、平均LD励起パワー2.6kWに対し、362Wの増幅器平均出力が得られた。また、222Wの増幅器平均出力に対して132Wの高平均第二高調波出力を60%の高い変換効率で得た。
細貝 知直*; 木下 健一*; Zhidkov, A.*; 中村 啓*; 渡部 貴宏*; 上田 徹*; 小瀧 秀行; 神門 正城; 中島 一久; 上坂 充*
Physical Review E, 67(3), p.036407_1 - 036407_8, 2003/03
被引用回数:81 パーセンタイル:93.11(Physics, Fluids & Plasmas)12TW,50fsのチタンサファイアレーザーを短焦点でガスジェット中に集光し、電子発生実験を行った。発生する電子は、レーザーのプリパルスの比率及び形に強く依存した。ガスジェットのショックウェーブ先端での、プリパルスでのプラズマ波の破砕が、細い電子のコーン(0.1mm mrad)をつくることを発見した。この電子は、レーザーパルスによって生成されるウェーク場によって数十MeVまで加速され、マックスウェル分布の分布する。単調でないプリパルスの場合、ショックフロントでの流体的な不安定性が大きなスポットを形成する。2次元流体を基礎とした数値解析と2次元粒子シミュレーションが電子加速の根拠を示した。この粒子シミュレーションによって、電子のエネルギーは10~40MeVであり、電子のパルス幅は40fs程度であることが予測できる。
山川 考一; 青山 誠; 赤羽 温; Ma, J.; 井上 典洋*; 上田 英樹; 桐山 博光
レーザー研究, 30(12), p.747 - 748, 2002/12
われわれは、高強度場科学と呼ばれる新しい光量子科学分野におけるさまざまな基礎・応用研究を目的に、極短パルス・超高ピーク出力Tキューブレーザーの開発を進めている。本論文では新たに開発に成功したピーク出力550TW,パルス幅33fsのチタンサファイアレーザーシステムを中心に、Tキューブレーザー開発において最も重要となる極短パルス(パルス幅10fs)レーザー光の増幅過程におけるレーザー制御技術及び大口径チタンサファイア増幅器における寄生発振制御,高効率増幅技術について述べる。
桐山 博光; 井上 典洋*; 山川 考一
High-Power Lasers and Applications II (Proceedings of Photonics Asia 2002 Volume 4914), p.6 - 13, 2002/10
チタンサファイアレーザーの高効率化・高出力化に向けて、大口径CsLiBO(CLBO)結晶を用いて高エネルギー・高効率第二高調波発生を初めて行った。本実験では入射レーザー光にNd:ガラスレーザー光を用い、非線形光学結晶にはタイプII位相整合の30mm30mm CLBO結晶を2つ用い、直列に配置した。入射レーザーエネルギーに対するグリーン光エネルギー特性を取得した。34-Jの入射レーザーエネルギーに対して25-Jのグリーンエネルギーが得られた。370MW/cmの入射レーザー光強度に対して74%の変換効率を得た。この第二高調波光のエネルギーはCLBO結晶を用いて報告されている中で世界最高値である。
桐山 博光; 井上 典洋*; 山川 考一
Optics Express (Internet), 10(19), p.1028 - 1032, 2002/09
被引用回数:5 パーセンタイル:28.74(Optics)極短パルス・超高ピーク出力チタンサファイアレーザーのより高出力化を目的として高エネルギー・大口径Nd:ガラスレーザー光の波長変換器の開発を行った。本波長変換器は高エネルギーでかつ低い入射レーザー光強度で高い変換効率を達成するため、大型結晶の育成が容易で非線形光学定数の大きいCLBO結晶を採用した。本実験ではタイプII位相整合の30mm30mmと大型CLBO結晶を2つ用い、直列に配置した。34-JのNd:ガラスレーザー光に対して25-Jの高グリーンエネルギーが得られた。370MW/cmと低い入射レーザー光強度に対して74%の高い変換効率を得た。また、空間プロファイルはほぼフラットトップであり、チタンサファイア結晶の励起に適していることがわかった。
山川 考一
光学, 31(4), p.287 - 289, 2002/04
われわれは、高強度場科学と呼ばれる新しい光量子科学分野におけるさまざまな基礎・応用研究を目的に、極短パルス・超高ピーク出力Tキューブレーザーの開発を進めている。今回新たに開発に成功したピーク出力850TW,パルス幅33fsのチタンサファイアレーザーシステムを中心に、世界におけるTキューブレーザー開発の進展,現状について紹介する。また、さらなるピーク出力の向上による超ペタワット級レーザー開発研究の将来について述べる。
西村 昭彦; 宇佐美 力*; 出来 恭一*; 下別府 祐三*; 早坂 昇*; 有澤 孝
Technical Digest on 4th Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO/Pacific Rim 2001), p.II_280 - II_281, 2001/00
固体ターゲットへのレーザー集光によるX線発生では、損傷するターゲット表面の更新が重要となる。一方、これまでレーザー加工という観点からは加工痕の形状について多くの観察報告が行われている。レーザー光の集光により加熱/蒸発によって生じるキーホールの進行プロセスの解明が重要であるが、顕微鏡による観察では進行中のプロセスの情報が失われている。本報告では、加工対象としてLSI製造のシリコン基板を選び、これまでの顕微鏡観察と併せてレーザー光の反射光と透過光を同時計測すことにより加工プロセスの時間変化を把握することを試みた。シリコン基板の厚さは50ミクロンである。また、使用したレーザーはフラッシュランプ励起のフリーランニングチタンサファイアレーザーであり、パルス長さ140マイクロ秒,パルスエネルギーは57mJである。600kW/cmの照射強度の際に50ミクロン厚のシリコン基板を貫通できること、シリコン基板表面からの反射光は20マイクロ秒後には消失すること、55マイクロ秒後に貫通穴が生じ始めること、など加工プロセスの時間変化を明らかにすることができた。
桐山 博光; 中野 文彦*; 山川 考一
Technical Digest on 4th Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO/Pacific Rim 2001), p.II_150 - II_151, 2001/00
極短パルス・超高ピーク出力チタンサファイアレーザーの励起効率の向上を目的として高効率波長変換器の開発を行っている。本波長変換器は低い入射レーザー光強度で高い変換効率を達成するため、光軸を垂直に配置した2つの非線形光学結晶中を偏光の回転を利用して入射レーザー光が多数回通過できる新たに考案した多重パス構成矩象波長変換方式を採用している。CLBO結晶を用いた高出力第二高調波発生実験において、変換効率83%を得た。平均出力32.7Wの入射1064-nm Nd:YAGレーザー光に対して平均出力27.3Wの第二高調波光出力が繰り返し率10Hzで得られた。
桐山 博光; 松岡 伸一; 丸山 庸一郎; 有澤 孝
Optics Communications, 174(5-6), p.499 - 502, 2000/02
被引用回数:6 パーセンタイル:34.7(Optics)極短パルス・超高ピーク出力チタンサファイアレーザーの励起効率の向上を目的として高効率波長変換器の開発を行った。開発した波長変換器は低い入射レーザー光強度で高い変換効率を達成するため、光軸を垂直に配置した2つの非線形光学結晶中を偏光の回転を利用して入射レーザー光が4回通過できる新たに考案した4パス構成矩像波長変換方式を採用している。入射レーザー光に1064-nmNd:YAGレーザー光(繰り返し率: 10Hz)を用い、非線形光学結晶にタイプII位相整合のKTP結晶を用いて実験を行った。本波長変換方式を用いることにより、従来法よりも変換効率が向上し、この方式の有効性が示される結果となった。76MW/cmの入射レーザー光強度に対して80%の高い変換効率を得た。パルスあたりのエネルギー607mJの入射レーザー光に対して486mJの第二高調波光出力が得られた。
田村 浩司; 有澤 孝
JAERI-Tech 99-059, 9 Pages, 1999/09
チタンサファイア共振器からのレーザーパルスをヤグレーザーの第二高調波により励起することにより増幅し、出力レーザーパワーを測定した。励起のある場合とない場合の出力強度比から、シングルパスとダブルパスの小信号利得を励起レーザー光密度の関数として測定した。シングルパスの利得を2準位のレート方程式により計算した。得られた結果は実験結果をよく再現した。この結果に基づき共振器出力を多段階増幅部を用いて増幅した。
山川 考一
O plus E, 21(9), p.1137 - 1143, 1999/09
近年、小型で繰り返し動作が可能な極短パルス・超高ピーク出力レーザーが出力されている。これらのレーザーは出力エネルギーは小さいが(1J)、ピーク出力がテラワット級にも達す。このような中、日本原子力研究所関西研究所においてピーク出力100TWのチタンサファイアレーザーシステムが開発された。100TWレーザーを集光照射することにより極めて高い光電場を生成することが可能となる。これにより、数年前までは理論やシミュレーションでの予測でしか得られなかった超高強度レーザーと物質との相互作用の実験研究が実現可能となった。今後、小型、高繰り返しの10W/cm級のチタンサファイアレーザーの稼動により、高強度光科学と呼ばれている新しい研究分野が幅広く拓かれていくものと期待されている。
田村 浩司; 有澤 孝
JAERI-Tech 99-058, 13 Pages, 1999/08
クロム、ネオジムドープのGSGGレーザーはヤグレーザーよりも原理的に効率が高く、チタンサファイアレーザーなどの高効率励起用光源となる可能性がある。そのため、GSGGレーザーを試作しその発振特性を調べた。発振効率はフリーランニングモードでヤグレーザーの2倍であった。Qスイッチモードにおいて基本波で50mJ、第2高調波で8mJを得た。レーザーの空間分布、時間波形、長時間安定性は固体レーザー励起に適したものであった。GSGGレーザーの第2高調波励起によりチタンサファイアレーザーの発振が達成できた。
山川 考一
Technical Digest on CLEO/Pacific Rim '99, Vol.2, p.199 - 200, 1999/08
原研・関西研究所では、新しい光量子科学研究分野におけるさまざまな基礎・応用研究を目的に、小型で繰り返し動作が可能な極短パルス・超高ピーク出力レーザー(Tレーザー)の開発を進めてきた。本招待講演では、すでに開発に成功した世界最高のピーク出力100テラワット(テラワット=10ワット)、パルス幅19フェムト秒(1フェムト秒=10秒)、繰り返し数10Hzの超高出力・極短パルスチタンサファイアレーザーシステムを中心に、本Tレーザー開発において最も重要となる極短パルス(パルス幅~10fs)レーザー光の発生とその増幅過程におけるレーザー制御技術及び計測技術について紹介するとともに、このようなレーザーを用いた応用研究を紹介する。また、更なるピーク出力の向上と短パルス化によるペタワット級レーザー開発研究の現状についても言及する。
西森 信行; 峰原 英介; 杉本 昌義; 沢村 勝; 永井 良治; 菊澤 信宏
Review of Scientific Instruments, 69(1), p.327 - 328, 1998/01
被引用回数:6 パーセンタイル:49.2(Instruments & Instrumentation)自由電子レーザーでは、電子ビームの繰り返し周波数が固定されている。従って共振器に入射してくる電子ビームと共振器中を往復する光とが重なりあうように、共振器長を定めてやる必要がある。我々は電子ビームの繰り返し周波数に同期した、パルス幅80fsのモード同期型チタンサファイアレーザーを光共振器に入射して実験を行った。ストリークカメラで観測される時間構造から、100m程度での距離調整後、波の重ね合わせによる光の増大をフォトダイオードで観測し、共振器長を1m程度の精度で調整することに成功した。
赤岡 克昭; 原山 清香; 鄭 和翊*; 丸山 庸一郎; 有澤 孝
Solid State Lasers VII, 3265, p.219 - 225, 1998/00
シャックハートマン型波面センサーとバイモルフ型デフォーマブルミラーにより構成されるクローズドループ波面制御システムを構築し、超短パルスチタンサファイアCPAレーザー光の波面制御を行った。その結果、波面の乱れの二乗平均(RMS)と最大と最小の差(P-V)は元の波面の1/5まで低減することができた。また、この時のレーザー光の集光強度は元のレーザー光の5倍となっていることがわかった。
丸山 庸一郎; 加藤 政明; 原山 清香; 大場 正規
JAERI-Tech 97-018, 17 Pages, 1997/03
全固体の高繰り返し波長可変レーザーは、高平均出力、高エネルギーなどの特長を有し、レーザー同位体分離などへの利用が期待される。このため半導体励起Nd:YAGレーザーでポンピングされる繰り返し数1kHzの波長可変チタンサファイアレーザーを試作し、発振特性を測定した。Nb:YAGレーザーの基本波をKTP結晶によってグリーン光に変換し、チタンサファイアレーザーのポンピングに用いた。この結果、20Wの入力で平均出力1.6Wの波長可変レーザー光を得た。この時のエネルギー抽出効率は、約12%であった。